イケハヤです。
ブログやウェブサイトを運営している人の多くが「WordPress」を使っていると思います。
たしかに素晴らしいツールなんですが、長く使っていると
「サイトが重いな…」
「またアップデートしなくちゃいけないのか…」
「セキュリティが心配…」
といった悩みも出てきますよね。
そんな悩みを解決するかもしれない、新しい選択肢として「Sanity」というヘッドレスCMSが注目を集めています。
「ヘッドレスCMSって何?」 「WordPressから乗り換えるメリットってあるの?」
と感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、WordPressの次世代の選択肢として有力な「Sanity」について、そのメリット・デメリット、そして具体的な移行方法まで、わかりやすく解説していきます。
これからのウェブ制作、特に「AIと一緒にサイトを作る」という未来を見据えると、Sanityは非常に面白い存在ですよ。
そもそも「Sanity」って何?
Sanityは「ヘッドレスCMS」と呼ばれるものの一つです。
- WordPress: 記事の保存(バックエンド)と、見た目の表示(フロントエンド)が一体になっている。
- Sanity (ヘッドレスCMS): 記事の保存(バックエンド)機能だけを提供する。頭(ヘッド=見た目)がないので「ヘッドレス」。
見た目がない分、フロントエンドはReactやNext.jsといった最新の技術を使って、開発者が自由に、そしてゼロから構築できるのが大きな特徴です。この仕組みが、さまざまなメリットを生み出します。
Sanityに移行する5つのメリット
では、具体的にWordPressからSanityに乗り換えると、どんないいことがあるのでしょうか。大きなメリットを5つ紹介します。
1. サイト表示が「爆速」になる
Sanity最大のメリットは、なんといっても「パフォーマンス」です。
WordPressはアクセスがあるたびにデータベースと通信してページを生成するため、どうしても表示に時間がかかりがちです。キャッシュプラグインで工夫しても限界がありますよね。
一方、SanityはNext.jsなどの「静的サイトジェネレーター」と組み合わせるのが一般的です。
これにより、あらかじめ完成されたHTMLファイルをサーバーに置いておけるので、表示速度が劇的に速くなります。
実際このブログはSanityで構築していますが、表示速度の速さを感じていただけるのではないかなと思います。
サイトが速いことは、ユーザー体験の向上はもちろん、「SEO」においても非常に有利に働きます。
Googleはサイトの表示速度を評価指標の一つにしているので、これは大きなアドバンテージです。
2. 開発の自由度が高く、モダンな環境で開発できる
WordPressは「PHP」という言語でできており、カスタマイズするにはPHPの知識が必須でした。
しかしSanityなら、フロントエンドはReact、Next.js、Vueなど、開発者が得意なモダン技術を自由に選んで開発できます。これは開発者にとって、まさに天国のような環境です。
また、コンテンツの構造(スキーマ)をコードで管理できるため、Gitでバージョン管理したり、チームでの開発がしやすくなったりと、現代的な開発フローに非常にマッチしています。
3. セキュリティとメンテナンスの手間から解放される
WordPress運用者の頭を悩ませるのが、頻繁な「アップデート」と「セキュリティ」の問題です。本体やプラグインの脆弱性を狙った攻撃は後を絶たず、更新を怠ると大きなリスクを抱えることになります。
Sanityはクラウドサービスとして提供されており、セキュリティ対策やメンテナンスはすべてSanity社が行ってくれます。
ぼくらは面倒なサーバー管理から解放され、コンテンツ作りに集中できるわけです。これは精神的にも、時間的にも大きなメリットといえるでしょう。
4. コンテンツの形を自由にデザインできる
WordPressのコンテンツは基本的に「投稿」か「固定ページ」ですよね。カスタムフィールドを使えば拡張できますが、少し手間がかかります。
Sanityは、コンテンツのデータ構造をゼロから自由に設計できます。
たとえば、ブログ記事に「短いサマリー」「キーポイント」「引用」といった専用の入力欄を設けたり、ポートフォリオサイトなら「作品画像」「制作期間」「使用技術」といった独自のフィールドを作ったりすることが、いとも簡単に実現できます。
5. 「バイブコーディング」との相性が抜群
そして、ぼくが最も注目しているのがこの点です。
「バイブコーディング」、つまりAIと対話しながらサイトを構築していくスタイルにおいて、Sanityは最高のパートナーになり得ます。
サイトの構造がすべてコードで管理されているため、AIに「こういう機能を追加して」と指示してコードを生成させ、それを適用するだけで機能が実装できてしまう未来がすぐそこまで来ています。
実際に、人間とAIがGoogleドキュメントを共同編集するように、リアルタイムで一緒にコンテンツを編集できる機能もSanityは備えています。
これは、AIとの協業が当たり前になる時代において、計り知れない強みとなるでしょう。
Sanityに移行するデメリット(注意点)
もちろん、Sanityは銀の弾丸ではありません。メリットの裏返しともいえるデメリットや、注意すべき点も存在します。
1. サイト構築にはバイブコーディング習得が必須
これが最大のハードルです。
Sanityはあくまでバックエンド機能の提供なので、サイトの見た目を作るフロントエンド開発のスキルが必須になります。
WordPressのように「テーマをインストールして、設定をポチポチして完成!」というわけにはいきません。
バイブコーディングで作る場合、HTML/CSS、JavaScript、そしてReact/Next.jsといった専門的な知識は不要です。
しかし、基本的なバイブコーディングの「お作法」は理解しておく必要があります。
10時間程度の学習で、きっとSanityの導入まで辿り着けるはずです。ぜひがんばってください!
2. 「プラグイン」という概念がない
WordPressの強みは、豊富なプラグインによる拡張性です。
「SEO対策」「お問い合わせフォーム」など、必要な機能のほとんどはプラグインをインストールするだけで実現できました。
Sanityにはこの「プラグインエコシステム」がありません。
必要な機能は、基本的に自分で実装するか、外部のAPIサービスと連携させる必要があります。
もちろんバイブコーディングで大部分は自作できますが、決済や会員管理など、高度な機能を追加したい、という場合にはWordPressを使うのが無難です(高度なプラグインの自作は、セキュリティ面のリスクも高いです)。
3. 日本語の情報やコミュニティはまだ発展途上
WordPressは世界中で使われているだけあって、日本語の情報も書籍やネット記事など、探すのに困ることはありません。
一方、Sanityは開発者を中心に人気が急上昇していますが、日本語で読める情報はまだ限られています。
公式ドキュメントやコミュニティは英語が中心なので、問題解決のために英語を読む必要が出てくる場面も多いでしょう。
WordPress vs Sanity 比較まとめ
ここまでの話を、比較表にまとめてみました。
観点 | WordPress (従来型CMS) | Sanity (ヘッドレスCMS) |
---|---|---|
記事作成と編集 | ブロックエディターで直感的だが柔軟性は限定的 | スキーマを自由に定義でき、柔軟性が高い。リアルタイム共同編集も可能。 |
カスタマイズ性 | テーマとプラグインで拡張が容易。高度な変更にはPHPの知識が必要。 | コードでUIも構造も自由に設計可能。機能追加は自前で実装。 |
パフォーマンス | 動的生成で速度はサーバー依存。キャッシュ設定が重要。 | 静的サイト化+CDNで表示が非常に高速。 |
開発環境 | PHP+MySQLの環境が必要。 | Node.jsベースでモダンな開発環境と好相性。 |
SEO対応 | 強力なSEOプラグインで対応可能。サイト速度が課題になることも。 | 高速表示自体がSEOに有利。メタ情報なども自由に実装可能。 |
セキュリティ | 定期的なアップデートが必須。攻撃対象になりやすい。 | サービス側で管理してくれるため安全性が高く、手間いらず。 |
コミュニティ | 世界最大級のユーザー数と情報量。日本語リソースも豊富。 | 活発な開発者コミュニティ。日本語情報はまだ少ない。 |
WordPressからSanityへの移行方法(概要)
「じゃあ、実際にどうやって移行するの?」という方のために、大まかな流れを解説します。
たしかに専門的な作業になりますが、不可能ではありません。
- WordPressからデータを書き出す (エクスポート)
WordPressの管理画面の「ツール」→「エクスポート」機能を使うか、API経由で記事データをJSON形式などで取得します。 - データをSanityの形式に変換する
書き出したデータを、Sanityが読み込める形式(JSON)に変換するプログラムを書く必要があります。
プログラミング知識がなくても、ここはバイブコーディングで十分対応できるはずです。
記事のタイトル、本文、カテゴリーなどを対応づけていきます。WordPressのHTMLをSanityの形式(Portable Text)に変換する作業もここで行います。
わからなければAIに聞きながら進めていきましょう! - Sanity側でコンテンツの「型」を定義する (スキーマ定義)
これもバイブコーディングで大丈夫です。
Sanity Studioで、「ブログ記事」という型は「タイトル」「公開日」「本文」といった要素で構成される、という定義をコードで書いてもらいます。 - Sanityにデータを流し込む (インポート)
Sanityが提供するコマンドラインツール(CLI)を使って、整形したデータを一括でSanityに流し込みます。
バイブコーディングツールに「Sanity CLIを使って」と指示すると、効率的に作業してくれるでしょう。 - サイトの見た目をゼロから作り直す (フロントエンド構築)
これが一番大きな作業で、バイブコーディングが生きるところです。
Next.jsなどを使って、SanityからAPIで記事データを取得し、ページとして表示するプログラムをゼロから構築します。
自分好みの見た目を、バイブコーディングで作っていきましょう!
見ての通り、プログラミング知識がない場合、移行にはバイブコーディングの習得が不可欠です。
そこまで難しくはないので、10時間ほど勉強して、超快適な環境を手に入れてみましょう!
まとめ:それでも「Sanity」を選ぶ価値はあるか?
ここまで読んで、「なんだか大変そうだな…」と感じたかもしれません。
たしかに、Sanityは誰にでもおすすめできる銀の弾丸ではありません。
- 手軽にブログを始めたい人
→ 引き続きWordPressは素晴らしい選択肢です。 - パフォーマンスを極限まで高めたい、最新技術で開発したい開発者・ブロガー・バイブコーダー
→ Sanityは最高の環境を提供してくれます。 - AIとの連携を視野に入れ、新しいウェブの形を模索したい人
→ Sanityを学ぶ価値は非常に高いです
ぼく個人としては、今後のウェブ制作はSanityのようなヘッドレスCMSとAIの組み合わせが主流になっていくと予想しています。
面倒なサーバー管理やアップデート作業から解放され、開発者・ブロガーはより創造的な部分に集中できるようになる。
そんな未来は、とてもワクワクしませんか?
もしあなたがブロガーで、WordPressの制約に窮屈さを感じているなら、ぜひSanityへの移行を試してみてください。
ぼく自身はもうWordPressには絶対に戻れません。
きっと、その自由さとパワフルさに驚くはずですよ。
追記:動画も撮ったので合わせてどうぞ!